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LangChainとOpenGPTsが拓くLLMアプリ開発の未来


LangChainとOpenGPTsは、大規模言語モデル(LLM)を用いたアプリケーション開発に革新をもたらそうとしている。従来のOpenAIのAssistants APIやGPTsが提供する固定的な認知アーキテクチャとは異なり、LangChainは開発者に自由度の高い環境を提供する。さらにOpenGPTsは、GPT-likeな機能をオープンソースで実現することで、LLMアプリケーション開発の可能性を広げている。


例えば、LangChainを使えばRetrieval Augmented Generation(RAG)を簡単に実装できる。これは、外部データを取り込んでLLMと組み合わせることで、高品質な文章生成を可能にする手法だ。また、OpenGPTsを使えば、複数のLLMプロバイダーに対応しながら、Assistants APIやGPTsと同等の機能を自由にカスタマイズできるようになる。


LangChainとOpenGPTsは、LLMアプリケーション開発の新しいパラダイムを切り拓こうとしている。その先に広がるのは、自由度とオープンソースの力を活かした、革新的なアプリケーションの世界だ。本記事では、LangChainとOpenGPTsがもたらす変革の可能性を探っていく。


 

この記事でわかること


・LangChainとOpenAIのAssistants API・GPTsの違いがわかる

 - OpenAIのサービスは固定的な認知アーキテクチャだが、LangChainは柔軟で自由度が高い


・LangChainでRetrieval Augmented Generation(RAG)を実装する方法がわかる

 - 外部データを取り込み、LLMと組み合わせることで高品質な文章生成が可能になる


・OpenGPTsの特徴とメリットがわかる

 - Assistants APIやGPTsと同等の機能をオープンソースで提供し、複数のLLMプロバイダーに対応


・LangChainとOpenGPTsがもたらすLLMアプリケーション開発の未来像がわかる

 - 自由度の高さとオープンソースの力により、革新的なアプリケーションが生まれる可能性がある


 

目次






 

1.LangChainが切り拓くLLMアプリケーション開発の新時代



大規模言語モデル(LLM)を用いたアプリケーション開発が盛り上がりを見せる中、OpenAIが提供するAssistants APIとGPTsが注目を集めている。これらのサービスは、特定の認知アーキテクチャを持つエージェントのようなシステムの構築を目指しているが、その固定的なアーキテクチャゆえに、開発者の自由度が制限されてしまうという課題がある。


例えば、ある企業が独自のデータを活用した文書要約システムを開発したいと考えたとしよう。Assistants APIやGPTsを使えば、ある程度のカスタマイズは可能だが、根本的なアーキテクチャを変更することはできない。つまり、企業独自のロジックやアルゴリズムを組み込むことが難しいのだ。


こうした制約は、LLMの本当の力を引き出す上での障壁となる。LLMアプリケーションの可能性を最大限に引き出すには、開発者が自由に認知アーキテクチャをデザインし、実装できる環境が必要なのだ。


そこで登場したのが、LangChainである。LangChainは、柔軟性と自由度を最大限に重視したオープンソースのLLMアプリケーション開発フレームワークだ。開発者は、LangChainを使って自分たちの理想とする認知アーキテクチャを一から設計し、実装することができる。


LangChainの強みは、その豊富なインテグレーションと機能にある。LangChainは、600以上のデータソースやAPIとの連携をサポートしており、開発者は簡単に外部のリソースを取り込むことができる。さらに、LCELによるチェーンの柔軟な構成や、LangSmithによる強力なデバッグ・運用管理機能など、LLMアプリケーション開発に必要なツールが揃っている。


こうしたLangChainの特長は、OpenAIのAssistants APIやGPTsとは一線を画すものだ。固定的なアーキテクチャに縛られることなく、自由に設計・開発できる環境がLangChainにはある。これにより、開発者は自社のビジネスロジックやユースケースに合わせて、高度にカスタマイズされたLLMアプリケーションを作り上げられるのだ。


LangChainは、LLMアプリケーション開発における新しいパラダイムを提示している。それは、開発者の創造性を解き放ち、LLMの可能性を最大限に引き出すためのアプローチだ。次章でLangChainを使ってどのようなアプリケーションが作れるのか、具体的な事例を交えて解説する。


 

2.LangChainによるRetrieval Augmented Generation(RAG)の実装


本章でLangChainを使ってRetrieval Augmented Generation(RAG)を実装する方法を紹介する。


RAGとは、LLMによる文章生成において、外部の知識を活用することで、よりコンテキストに即した高品質な出力を得るための手法だ。LLMは膨大な言語データを学習しているが、特定のドメインや最新の情報については知識が不足していることがある。そこで、関連する外部の情報を取得し、LLMの入力に組み込むことで、出力の質を高めようというのがRAGの基本的なアイデアである。


LangChainは、RAGを実装するために必要な機能を豊富に提供している。まず、ドキュメントローダーを使って、外部のデータソースから情報を取り込む。LangChainは、PDFや.docxファイル、Webページ、データベースなど、20種類以上のデータソースに対応しているため、一般的に取り扱うほとんどの形式のデータを扱うことができる。


次に、取り込んだデータをLLMで処理しやすい形に変換する。具体的には、テキストを適切な長さに分割し、各チャンクの埋め込みベクトルを計算する。これにより、テキストの意味的な類似性に基づいて、関連する情報を高速に検索できるようになる。


そして、ベクトル検索エンジンを使って、ユーザーのクエリに関連する情報を外部データの中から探し出す。LangChainは、Pinecone、Weaviate、Chroma、Elasticsearchなど、10種類以上のベクトル検索エンジンに対応しており、開発者は自由に選択することができる。


最後に、検索結果をLLMのプロンプトに組み込み、文章生成を行う。これにより、LLMは外部の知識を活用しながら、コンテキストに即した高品質な出力を生成できるようになる。


例えば、ある企業が自社の製品マニュアルを使った問い合わせ応対システムを開発したいとしよう。LangChainを使ってRAGを実装すれば、膨大なマニュアルの中から問い合わせに関連する情報を高速に検索し、LLMによる回答生成に活用することができる。これにより、よりユーザーの問題解決に役立つ、的確な回答を提供できるようになるのだ。


RAGは、LLMアプリケーション開発における重要なテクニックの1つだ。LangChainは、RAGの実装に必要な機能を網羅的に提供しており、開発者はこれらを組み合わせるだけで、高度なLLMアプリケーションを作ることができる。


次章では、LangChainの最新機能であるOpenGPTsについて解説する。Assistants APIやGPTsの機能をオープンソース化したOpenGPTsが、LLMアプリケーション開発にもたらすインパクトを考察する。


 

3.LangChainの新機能OpenGPTs - GPT-likeなLLMアプリケーション開発


本章ではLangChainの新機能であるOpenGPTsについて解説する。


OpenGPTsは、OpenAIのAssistants APIやGPTsと同等の機能を、オープンソースで提供するためのプロジェクトだ。Assistants APIやGPTsは、LLMを使ったチャットボットやタスク実行エージェントを開発するためのプラットフォームとして注目を集めている。しかし、これらはOpenAIが提供するクローズドなサービスであり、カスタマイズの自由度や拡張性には制限がある。


そこでLangChainは、OpenGPTsというオープンソース版のAssistants API/GPTs代替プロジェクトを立ち上げた。OpenGPTsは、LangChainの豊富な機能を活用することで、柔軟かつ拡張性の高いLLMアプリケーション開発を可能にする。


OpenGPTsの大きな特長は、複数のLLMプロバイダーに対応している点だ。OpenAIだけでなく、Anthropic、Cohere、AI21 Labsなど、さまざまなLLMプロバイダーのモデルを使うことができる。これにより、開発者はアプリケーションの要件に応じて最適なモデルを選択し、コストとパフォーマンスのバランスを取ることが可能になる。


また、OpenGPTsではLLMの実行をカスタマイズする仕組みも提供されている。例えば、特定のタスクに特化したプロンプトテンプレートを用意したり、出力結果に後処理を施したりすることで、アプリケーションの品質を高めることができる。こうしたカスタマイズは、Assistants APIやGPTsでは難しいことが多い。


さらに、OpenGPTsはLangChainの強力な機能を継承している。前回紹介したRAGはもちろん、エージェントの状態管理、ツールとの連携、ベクトル検索など、LangChainが提供する豊富な機能をフル活用できる。これにより、単なるチャットボットを超えた、高度なLLMアプリケーションの開発が可能になるのだ。


例えば、ある企業が社内の知識ベースを活用した意思決定支援システムを開発したいとしよう。OpenGPTsを使えば、社内の膨大なドキュメントをベクトル検索可能な形で保存し、ユーザーの質問に応じて関連する情報を検索・提示するシステムを柔軟に構築できる。さらに、LLMを使って検索結果を要約したり、意思決定のためのアドバイスを生成したりすることも可能だ。こうしたシステムは、Assistants APIやGPTsでは実現が難しい。


OpenGPTsは、LangChainの強力な機能を活用しながら、GPT-likeなLLMアプリケーションをオープンソースで開発するための基盤を提供する。これにより、開発者は自由度の高い設計と実装を行うことができ、LLMの可能性を最大限に引き出すことが可能になる。


次章ではLangChainとOpenGPTsを使って実現される、未来のLLMアプリケーション開発の姿を展望する。自由度の高さとオープンソースの力が、LLM市場にどのような変革をもたらすのか考えてみよう。


 

4.LangChainとOpenGPTsが切り拓くLLMアプリケーション開発の未来像


最後に、LangChainとOpenGPTsがもたらす未来のLLMアプリケーション開発の姿を展望しよう。


LangChainとOpenGPTsの最大の強みは、開発者に高い自由度を提供することにある。従来のAssistants APIやGPTsでは、固定的な認知アーキテクチャに縛られ、細かなカスタマイズが難しかった。しかしLangChainでは、開発者が自分たちの理想とする認知アーキテクチャを自由に設計し、実装することができる。これにより、アプリケーションの要件に応じて最適な設計を行うことが可能になる。


また、オープンソースであることも大きなメリットだ。プロプライエタリなサービスに依存することなく、LLMアプリケーションの開発と運用を自由に行えるようになる。これにより、ベンダーロックインのリスクを回避し、長期的な視点でシステムの発展を考えることができる。


こうした自由度の高さとオープンソースの力は、LLM市場に大きな変革をもたらすだろう。従来は、大手AIベンダーが提供するサービスを使うことが主流だったが、今後はLangChainやOpenGPTsをベースにした、オープンでカスタマイズ可能なソリューションが増えていくはずだ。


例えば、ヘルスケアの分野では、患者の診療記録や医療文献などの膨大なデータを活用した、LLMベースの診断支援システムの開発が進むかもしれない。LangChainを使えば、医療ドメイン特有の語彙や知識を考慮した認知アーキテクチャを設計し、高い精度の診断アシスタントを実現できるようになるはずだ。


また、金融の分野では、市場データや企業の財務情報を分析し、投資アドバイスを提供するLLMベースのシステムが登場しそうだ。OpenGPTsを使えば、金融ドメインに特化したプロンプトテンプレートや後処理ロジックを実装し、高度な投資判断を支援するシステムを柔軟に構築できるだろう。


このように、LangChainとOpenGPTsは、LLMアプリケーション開発の可能性を大きく広げるものだ。開発者は自由度の高い設計と実装を行うことができ、ドメイン特有の要件に合わせて最適なシステムを構築できるようになる。


さらに、オープンソースコミュニティの力も見逃せない。世界中の開発者がアイデアを持ち寄り、協力してLLMアプリケーションを開発していくことで、イノベーションのスピードは加速していくだろう。プロプライエタリなサービスでは実現が難しかった、革新的なアプリケーションが次々と生まれてくるかもしれない。


LangChainとOpenGPTsは、LLMアプリケーション開発の新しいパラダイムを切り拓こうとしている。自由度とオープンソースの力を武器に、LLMの可能性を最大限に引き出すための基盤を提供しているのだ。今後、LangChainとOpenGPTsがもたらす変革の波が、AI市場全体を大きく変えていくことになるだろう。


この記事でLangChainとOpenGPTsの可能性を探ってきたが、まだまだ未知の領域は広がっている。今後も、LLMアプリケーション開発の最前線を追いかけ、新しい発見や知見を共有していきたい。



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